段戸川C&R区間が出来るまで その2
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法制度と実態の矛盾を強く感じ、すぐに法制度を変えれればよいけどそれは現実的ではないので、まずモデル漁協を作ろうと考えた。
これは以下2つの目的で動き出した。
- 法律改正に向けて、モデルとなる既成事実を作る(民泊法イメージ)
- 現行の法制度の中でも、本気でやれば釣り人が満足するレベルで増殖義務を果たし、更に収益的にも黒字となる漁協活動が出来ることを証明する
始めに漁協を作る候補地探し。
入鹿池辺りなど、実は名古屋北部には漁協がない空白地帯が存在する。
過去に解散してしまった庄内川の漁協の管轄か、それとも元々空白地帯だったのかは定かではないが、小さいけれども割と良い川もあるのだが、現時点では漁業権が設定されていない。
それらの川を調査し、めぼしい地域にあたりをつけて、まずは愛知県庁に話をしに行った。
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愛知県庁では、予想通りのらりくらいとかわされ、何が問題であるかもはっきりとしないが、設立に向けて話が進まないことは間違えないという雰囲気だ。
想定の範囲内のため、ここでは粘らない。
県の職員からしても、ただでさえ問題が多い内水面漁協で、過去数10年に全国で見ても例がない「新規に漁協を設立する」といった事項を持ち込まれて「はい、いいですよ」と言えるはずもないだろう。
情熱をもって話せば、調査内容やつりチケを営業してきて感じた法制度と実態の矛盾など少しは良い反応が??と思ったが、そう甘くはない。
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次に相談先を変えて水産庁へ。
水産庁は当時釣り人専門官のkさんが非常に良く話を聞いてくれた。
つりチケをリリースする前から何度か話をしており、この時も内水面関係のいくつかの課で、課長/課長補佐クラスの方々を4人集めてくれて、話をさせてもらった。
おそらく、実質的に実務の意思決定者レベルの方々で本当に有難い限りだ。
門前払いという感じの対応ではなく、こちらも情熱をもって話すことが出来、全国の漁協の状況や法制度と実態の矛盾、自分達がこの状況で川を良くするために何がしたいのか等を説明した。
先方も良く話を聞いてくれ、双方で色々話すのだが、どうしても折り合わない点が出る。
「あなた方の川を良くしたいという情熱はわかりました。ただ、川を良くしたいという団体に第5種協働漁業権の免許を与えるということは法律上出来ないんです。まず漁業協同組合になる必要がありますが、あなた方はその地域での共同組合にはなれない。その地域に住んでいない。」
それはそうなんだけど、地域を広げて住んでいる名古屋市天白区あたりまでの漁協を作るとか、色々話すもやはり現実的ではないという話に・・・
水産庁の方々は、現在の法制度の中で出来るだけ良い運営ができるように考えるが、法制度を超えることは出来ない。それをやるのは政治家。
ただ、今の政治家で内水面にものすごい情熱を持ち、力がある人がいれば別だけど、内水面は大きな票田にはなりえないので、正攻法でいっても難しい。
モヤモヤとしながらも話を続け、最後にもらったアドバイスが
「今の法制度の中、つまり既存の内水面漁協とあなた方が協力して、良いモデルを作れないものでしょうか?」
というもの。
こうして、段戸川C&R区間を作ってくれた名倉川漁協さんとの話につながっていくのだが、この日は期待をもって霞ヶ関に行っただけに、だいぶ打ちひしがれて帰ってきた。
その3に続く