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冬山注意。

西穂山荘 粟澤様からです。

たくさんの人に見てもらいたい内容なのでそのまま転載させて頂きます。
 
やっぱり冬山に登るまでにステップアップしながらトレーニングしていくのが重要なんだと思います。
仮に吹雪くと、積雪期はそこらの裏山でも遭難出来ますから(^^;
 
でもまあ大袈裟で難しい話ではなく、要は段階踏んでトレーニングすればいいだけです^_^
事故なく楽しく登りたいものですね!
 
以下、Facebook 「人のため 自然のために」ページ より転載。
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< 大変心配しています >

21日(土)から22日(日)にかけての週末は西穂高に多くの登山者が訪れ、非常に賑わいました。
運休していた第一ロープウェイが20日から運行を再開し、21日が祭日であったこと、更には天気予報が良い方向に変わったこともあったのでしょう。先週までとはうって変わった混雑ぶりです。
山荘にお客様が大勢来てくださることはありがたいのですが、心配なことが起こっています。
それは西穂の山頂を目指す方が異常に多かったことです。まるで夏山のように我も我もという感じです。

これまで積雪期に西穂を訪れる登山者の多くは丸山、行っても独標までで、山頂に行かれる方はかなりのベテラン、または山岳ガイドさんと一緒に登られる方でした。
しかし、この週末は何十人もの方が山頂へ行っています。

私はフロントで宿泊受付をしていましたが、あまりに多くの方が西穂山頂を目的地としていたため、だんだんと心配になってきました。

しかし、受付もずっと混雑しており、人が並んでいるため、登山経歴等を詳しく聞いている時間など取れません。

食事の際に天気の案内をするときも、個々の方の技量を伺っているわけではないので、登られる方の冬山経験が不足していると決めつけて注意喚起するわけにもいかず、不安をかかえたままでした。

翌日、西穂山頂から戻られたベテラン山岳ガイドさんに稜線の状況を尋ねると、
「 雪面は締まっていて非常に歩きやすかった。しかし、それよりも西穂山頂まで行こうとする人があまりに多くて驚いた。
しかも、危ない人が大変多い。形だけザイルを持っていても、使い方が間違っている人もいる。見ていて怖くなってきた。」
とのことでした。

恐れていたことが現実となっていました。

先日BS放送で、冬の西穂高へ登る番組が再放送されました。この番組の話しをされていた方が多かったので、テレビの影響もあったかと思います。
しかし、この番組で登られた方はガイドさんと一緒に登っていますし、冬の西穂高は上級者でなければ行ってはならないことを、番組の中でも訴えています。

この週末は土・日の二日とも好天に恵まれ、訪れた方も十分楽しんでいただけたのではないかと思います。
それ自体はとても嬉しいことなのですが、ただ西穂山頂へのルート状況については誤解のないように認識していただく必要があります。

この週末の西穂山頂へのルートは積雪期としては最も楽なコンディションであり、これは通常の状況ではなかった、という認識です。
・何も考えずに登れるトレースが付いており、ステップまでできている
・日中は柔らかくなってきたものの、雪面は適度に締まり、快適に登れる
・よく晴れて気温も高く、風はあるものの、この時期の北アルプスとしては大したことはない
・大勢の人が登っているため心強く、どこをどのように登っているか人の動きを見て真似して登れる

こんなことは通常はありえないので、別の山に登ったくらい難易度は違うと言えるでしょう。
幸い大きな事故は発生しませんでしたが、今最も恐れているのは、

(1)これが普通なのだと思った方が、次に登った時に大変な目に遭うこと
(2)今回積雪期の西穂に登れたからと、更に難易度の高い雪山に足を踏み入れてしまうこと
(3)今回の登山の様子を知り合いの方にSNS等で伝えることにより、見た方が容易に登れそうだと受け取ってしまうこと
(4)この状況が常態化してしまい、将来大きな遭難事故が頻発すること

今回登られた方は、「 とても幸運だった。楽しい登山ができた。」と仲間の方と喜びあっていただき、それと同時に、今後の雪山の登山ということに関しては、気持ちを新たに十分気を引き締めていただきたいと思います。

これまでにこのルートでは非常にたくさんの事故が発生しており、多くの方が亡くなっています。
独標~西穂山頂間どころか、山荘から独標まで登る間にも毎年のように遭難事故は起きています。

段階を踏み、安全に登れるようになってから臨んでこそ、雪山は十分楽しめるのです。

( 撮影 ・ コメント : 粟 澤  )

 

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